みなさんこんにちは!K3です!
みなさんの中には会計事務所で初めて働いて、仕事ができなくてつらい思いをした人はいませんか?
これは多くの人が経験することですので、まったく気にする必要がありません。
実は、未経験者はどれだけ勉強していても最初は仕事ができないのです。
会計事務所はまともに仕事を教えてくれない!
この業界の悪い側面ですが、いまだに多くの会計事務所は仕事を教えるという文化がなく、仕事を振るだけ振って、できなければ𠮟り飛ばす、もしくはほったらかしにされるということがまかり通っています。
僕の経験上、ほとんどの税理士(経営者)はこんなやり方では、どんどん新人がやめてしまうので変えなければならないという認識は持っています。
ただ、税理士もベテラン職員も、自分がまともに教えてもらっておらず、その中で何とか仕事を覚えてきた人たちばかりなので、自分が処理することはできても、人に教える(言語化する)ことが苦手なことがほとんどです。
なので、会計事務所の新人は仕事は振られるがまともなサポートは受けられない、わからないことを聞いても、その説明がわからないということがおこってしまい、嫌気がさしてどんどんやめていくのです。
僕も最初会計事務所で働きだしたとき、専門職なのにここまで仕事を教えられないのかと頭を抱えていました。
時間がたてば誰でも仕事ができるようになる
簿記や税理士試験で学べるのは実務のほんの一部でしかない
とは言え、会計事務所に就職してくる人たちは、簿記や税理士試験で勉強してきた人たちです。
その勉強してきた知識があれば多少は仕事ができるのではと最初はみんな思います。
ただ、僕の経験上過去に実務経験がないとほとんど仕事はできません。
まず、実務で扱う書類の見方がわかりません。
簿記や税理士試験の勉強ではそもそも前提があたえられているため、知識があれば処理はわかるのですが、未経験の人はその前提を実務書類から読み取くことができずに苦労します。
また、場合によっては相手(人)から情報を聞き出すことも必要となり、そのためには簿記や税務の知識がない人が理解できるように質問しなければならず、この辺りは経験を積まなければまずできません。
そもそも会計事務所の実務で必要な知識は、簿記や税法だけでなく、決算書の説明の仕方やExcelの使い方、別表の各種つながり、社会保険に関する知識から融資に関する知識、コミュニケーションの仕方まであげればきりがないくらいたくさんあります。
実は、簿記や税理士試験で学べることは会計事務所の実務の知識のほんの一部にすぎないのです。
ただ、簿記や税務の知識があれば経験を積む中で知識と実務が結びついてきます。
そのため、勉強をしてきた人は全体像が把握できれば一気に仕事が理解できるようになり、パフォーマンスがあがってきます。
逆に言えば、それまではいくら勉強をしてきてもたいして仕事はできないのです。
仕事の全体像がつかめるまで2年はかかる
会計事務所の仕事は、最初は入力から始まります。
慣れてくれば、担当を持たされてそれぞれ法人個人の試算表の作成から報告まで、そして決算書、税務申告書の作成へと進んでいきます。
おそらく、入力から最初の決算までの1年間は何をやっているのかよくわからず仕事をこなすことになります。
とりあえず先輩や税理士の指示を仰ぎながら仕事をこなすしかなく、新人にとって一番つらい時期となります。
ところが2年目に入ると今までよくわからずやってきたことがだんだん理解できるようになってきます。
最初の1年目はこなすことで精一杯で、とりあえずやったという感じだったものが、2年目には意味を考えながらできるので頭に残ってきます。意味がよくわからずこなしているうちは、なかなか頭に定着しません。
つまり、未経験で入った場合、最初の1年で仕事ができることはまずありえず、本当の実力がついてくるのは2年目以降となります。
ところが、なぜかベテラン職員は、「一度言ったことは覚えとけ」とか、「できるやつは三か月で仕事ができるようになる」などと言うのですが、ただのポジショントークです。
僕も以前働いていた事務所で、若手に厳しい中堅職員が新人の頃の話を、その上の世代のベテラン職員から聞いたことがありますが、その中堅職員は初め仕事ができなくて先輩に事務所で怒られたり、得意先からクレームがきて担当を外されたり、最初は全く仕事ができない人でした。
ただ、その彼も僕が入ったころには仕事のできる中堅エース社員になっており、一度で覚えろなど自分ができなかったことを言うわけです。
ですので、初めて会計事務所に入って仕事ができなくて悩むのは誰もが通る道です。
そして、2年経つごろには、全体像も見えて一気に実力が伸びているのです。
仕事を覚える流れ
最初の1年は、まず形から入る
最初の1年は理解よりまず形からはいること、つまりとりあえずこなせるようになるだけで問題ありません。
最初は正直こなすしかなく、教えてもらった処理や注意されたことをWordなどでメモして残し、後で調べられるようにしましょう。
逆に下手に理解しようと思うと頭がパンクし、数をこなすことができません。
会計事務所の実務に必要な知識は、未経験者にはすぐに理解できないことが多すぎます。
難解なものはとりあえず処理を覚えることに集中して、後から徐々に意味を肉付けしていきましょう。
2年目以降は1年目にやったことを確実に理解していく
2年目からは、最初の1年でやったことを理解するように努めてください。
例えば、法人の決算や個人の確定申告、年末調整の流れ。資料の回収のタイミングやクライアントへの連絡方法などです。
おそらく余裕がでてくるはずなので、精神的には楽だと思います。
ここでちゃんと理解できていると会計事務所の仕事の全体の流れがつかめてくると思います。
新しいことをあらかじめ学ぼうとする必要はない
また意外と多いのが、もっと難しいことを勉強しなくてはと焦る人です。
僕も最初の頃、知識不足を補おうと何冊か専門書を購入したのですが、読んでも意味を理解することができませんでした。
それらが理解できるようになったのは大体3年目くらいです。
正直、実務で経験したことがないことを書籍等で勉強しても頭の中で経験と結びつかないので定着しません。(経験した後に書籍等で勉強することは重要です)
むしろ大切なのは、一度経験したことを理解し頭に定着させることです。
そして定着した知識が増えてくると、専門書も理解できるようになっていきます。
まずは焦って経験したことのないものを勉強するよりも、実務で必要になった都度、調べて理解し、それを確実に頭に定着させることを意識してください。
そうすれば3年目ぐらいには、ある程度自信をもって仕事をこなすことができるようになると思います。
自分の本棚を持つ
K3が先輩に言われたこと
僕が最初に入職した会計事務所で先輩に言われたことは、「本は自腹で買って自分の本棚にいれておけ」です。
どういうことかというと、わからないことはすぐに調べられるようにし、その根拠を提示できるようにしろという意味です。
調べものは自腹で購入した書籍でして、その書籍は自分の本棚に入れておくことで、過去に調べたことの根拠が常に手元におくことができ、同じような調べものが必要になったらそれをすぐに取り出すことができます。
事務所に買ってもらった本では手元におけません。
会計事務所の調べものは主に書籍で
会計事務所では、調べものをネットの記事でしてしまうと怒られます。
国税庁のホームページは別ですが、たとえ税理士の書いた記事でもそれはあくまで個人の見解であり、根拠になりません。
ネットの記事は、あくまでアタリをつけるために使い、その根拠は別に探さなければなりません。
その根拠とは、通達、条文などですが、条文などを読みこなすのは若手にはハードルが高いので、一般的には専門書(もしくは国税庁のHP)を根拠にすることが多いと思います。
そして、実務で必要になった都度、その根拠となる書籍を購入し、該当箇所にマーカーを付け、本棚に入れておくのです。
こう言うと本代がかかりすぎそうですが、専門書は知識が体系的に書かれているので、同じ書籍で別の調べ物に使えることも多く、そこまでお金はかかりません。
これは経験則ですが、同じ本で調べ物をしていると知識が定着しやすいです。
そして同じ本を使い続けていくうちに、わからないことが出てくればあの本を調べれば載っていそうだと勘が働くようになり、調べることが楽になってきます。
僕も最初は自腹は嫌だなと思っていましたが、途中から本を自腹で買い本棚に入れておく習慣が知識の習得に役に立ったなと感じています。
まとめ
未経験で会計事務所に就職した人は、最初かなり大変だと思います。
特に、担当を持ち出してからの1年は覚えることが多すぎてミスが増えたり、自分に自信がなくなることも多いでしょう。
ただそれも最初だけで、会計事務所の仕事は基本的に毎年同じことの繰り返しです。
3年目に入るころには、誰でもある程度仕事ができるようになります。
多くの場合時間がたてば、なんであんなに悩んでいたのだろうと感じるようになるので、今はしんどくてももう少し頑張ってみてください。
コメント